【第5期 叡王戦九段予選】羽生 善治 九段 ー 藤井 猛 九段戦の感想 (後編)
ども、たきたきでっす。
前回の続きとなりまっす。
前回は、こちらの局面まで。
この時点では角と桂香の交換で駒割りはほぼほぼ互角。 ただ、先手の羽生九段の方が持ち駒も多く、優勢なのかなと思いました。
ここから、☖67角☗93香成☖64銀と進み、
☗26桂。 次に☗34桂とすると嫌らしい感じですが… ☖96歩☗34桂☖44飛☗35歩☖76角成☗77歩…
☖49馬と進みました。
で、ここから☗24歩☖39馬と攻め合いとなり、☗23歩成☖28馬☗32とと続き、
更に踏み込んでいくのかと思ったのですがここで☖24角と角までは取らせませんでした。
この角が最後までいい仕事をしてくれるとは… 続いて、
☗55桂と玉への包囲網を着々と築いてきました。 ☖さすがにこの桂馬は残しておけないと言うことで、☖同銀と食いちぎり、☗同歩☖85歩と叩いてきましたが、
手抜いて☗65香。 この手もかなり厳しそうなのですが☗42銀とする方が良かったみたいです。
☗65香に対して受けるのかと思ったのですが、
☖86歩。 これが詰めろになっている(☖97銀☗89玉☖88飛☗79玉☖67桂とぴったり)みたいですが、自玉が詰んでいるかもしれないのにこの手が指せるのは凄い、凄すぎる。
この手以降、両者持ち時間が無くなって秒読み(60秒)となりました。
これに対して、
☗42銀と勝負。 これは詰んでしまうのか… とハラハラしておりましたが、☖同金☗同桂成☖同飛☗同と☗同玉と続き一気に精算。
最終盤は駒の損得より手番を握っているかどうかだと思うのですが、ここでの手番は先手。 持ち駒も飛車と金2枚、銀1枚とこれはやばそうと思ったのですが…
☗22飛☖32銀☗43銀☖同玉☗44金☖42玉☗33金☖51玉とギリッギリの所で凌いだところで羽生九段が投了となりました。
ちなみにこのあと、☗61香成☖同玉☗62金☖同玉☗32飛成と迫っても、
☖42香と合駒すれば詰まないという… 24の角のお陰ですね。
ということで、2012年の王位戦7番勝負以来、7年ぶりの対局となりましたが後手の藤井九段が藤井システムで羽生九段を下しました。 次の井上慶太九段との対局に勝てば一昨年以来の叡王戦本戦出場が決まるので頑張って欲しい!!
ちなみに、本局の棋譜は以下より見ることができます。