【竜王戦 第2組】村上 慈明 七段 ー 藤井 猛 九段戦の感想 (後編)
後編になりまっす。
前編はこちらです。
大捌き後からですが手番は先手。 先手が指した手は、
☗55桂。 角筋を止めつつ銀取りにもなっているので手抜きにくいところですが、
☖38飛とまずは王手をしつつ、33の角にも紐をつける。 攻防手がお互い出始めてきました。
☗78銀打と受けたところで、
☖32銀と引きました。 こういう手を指してみたい!w ☗31飛には☖22角で受かるんですよねぇ。
☗65歩と玉頭を狙ってきた手に対して、
☖71玉と未然に6筋からは遠ざかりました。 ☗64歩と取り込んみましたが、角が先手玉を捕らえているので桂馬が跳ねられないのですよね。
そして次に指した手が、
☖43桂。 桂取りですが先手から桂馬を取ることができない状態(角が直射しているため)。 なので先手は☗77桂と跳ねました。 ☖55桂☗同歩☖同角☗66桂と進みました。
☗66桂は次に☗74桂とすると結構厳しそうな感じです。
そして、次に指した手が、
先手の左桂が跳ねているので9筋の防御が薄くなってきたタイミングで☖96歩と端攻めをしてきました。☗同歩☖98歩☗同香☖97歩☗同香☖95歩☗同歩として、
☖64角。 1歩補充しつつ、次に☖96歩〜☖97金の攻め筋が出てきました。 端の攻め方、参考になりますw
この手に対しての受けは、
☗86桂とこれも攻防に利いた手ですかね。 気づけば桂馬が三枚先手側にありますね。
これに対して、
端攻めの過程で角が動いたところに☖55桂と金を取りに行きました。
受けが厳しそうですが、
☗68飛と自陣に飛車を打ち込みました。 ☖同飛☗同角と進み、
☖38飛と再度飛車を打ち込みました。
この瞬間、手番は先手に移ったので、
☗62歩と叩いてきました。 このたたきには、
☖62同金上と応じました。これで歩が2枚になったので、☖96歩☗同香☖97歩の端攻めができるようになりました。 ここで先手が指した手が、
☗39歩と飛車をずらしにかかりました。 しかし、この手に対して、
手抜いて☖96歩と端攻めを敢行してきました。 さすがにここは手抜けないようで☗同香☖97歩として詰めろをかけられましたが、
☗31飛と王手をかけてきました。 ここは☖61金と応じてから☗97玉と歩を払いました。
玉が移動したのでここから一気に☖67桂成☗同銀☖同飛成☗同銀と一気に先手玉の守りを剥がしました。 取られそうな飛車を上手くさばきました(こういうのは、さばくとは言わないんですかね…)
盤面左下に空白ができたので、
☖89金と詰めろ(☖88角〜☖97金)をかけました。 後手玉はまだまだ詰みそうにないので詰めろをかけていけばいい感じなのでしょうか。
☗78飛と受け止め、
☖69角。 これは詰めろではないっぽいですが☖78角成から相当あぶない感じに。
☗98飛と逃げられたところで、
☖95香と走りましたがこれが良い手とのこと。 ☗同香☖96歩☗同玉とさらに玉を上げてから、
☖88金。 97に玉がいたら打てないところですが☖95香からの手順で玉を上げたから出てきた筋でしょうか。 ☗同飛☖同金として☖87角成の詰めろが再びかかりました。
☗78香と受けて角筋を止めました。 正直、ここからどうしたら寄せられるかわからないのですがとりあえず☖99飛かなと思ったら、
予想が当たりましたw まぁ、当然ですかね。 ☗97歩とギリギリのところで受けてきました。
☗97歩に対して、
☖98金と再び詰めろ。 ☗89桂と受けて、☖同飛成としましたが先手の詰めろが消えました。
先手に手番が回ったので、
☗93香成としました。 ☗74桂〜☗82金の詰めろとなりましたが、2手が必要なので後手としては詰めろをかけ続ければ良い局面。
☖88竜として詰めろをかけました。 ☗95玉と詰めろを回避しますが、☖97竜と追撃。 ☗96金と受けて、
☖83桂。 ☗同成香☖同銀と進んで、
これも☖86角〜☖94香の詰めろになっております。 ☗94歩と粘りますが、
☖73角とさらに詰めろが続きます(この局面では☖86角☗同歩☖94銀で詰み筋っぽかったです)。
☗97金☖同金と進み飛車を入手した先手が、
☗81飛と詰ませにきました。 ☖同飛とすると、☗61飛成が怖そうなのですが、☖71香☗93桂☖92玉☗52竜☖62歩と受けきったところで投了となりました。
本局は藤井九段が序盤に桂銀交換の駒得を果たしてその後も優勢を築いて行った快勝譜だったと思います。
藤井システムを指しこなすことは到底無理かなと思いますが序盤は相手の駒組みに応じて美濃囲いに組むタイミングとかを変えられるように意識して指していきたいなと思っております。